この記事では、マレーシアでタックスクリアランスを行った流れと提出書類を自分の体験談として紹介していきます。
私は2018年からマレーシアで働き始め、2020年の年度途中に退職し、その後は別のビザで滞在しています。
私のタックスクリアランスステータス
- 年度途中で退職
- すでに非居住者期間は終了
- 居住者認定は未済(非居住者期間に多く払った税金を取り戻していない)
- 回復活動制限令(RMCO)中の退職
- 退職後も別ビザでマレーシア滞在予定
状況が異なる場合、手続きの内容や提出書類などに細かな違いが出るかもしれません、と予防線を張っておきますが、大まかな流れは把握していただけるのではないかと思います。
マレーシアでのタックスクリアランスの流れ
ここからは、私の体験談ベースでマレーシアの会社を退職した際のタックスクリアランスの流れを紹介していきます。
まずはざっくりと流れを。
それぞれ具体的にどのような流れをたどったのか、詳しく見ていきます。
1. 会社から必要書類を入手提出
会社の人事担当者にタックスクリアランスの書類準備のお願いをしたところ、税務署への書類提出まで済ませてくれました。
どうやら、会社が税務署とやり取りする申請システムのようなものがあるようで、そこからオンライン申請を済ませ、付属書類とともにメールで連絡してくれたのです。
(メールでの書類提出がMCO期間中だけの特別対応なのか普段から認められているのかは不明です)
その時に会社が税務署に提出してくれた書類はこちらです。
メール提出した書類
- CP22A
- PCB2
- 前年度のEAフォーム
帰国する場合はCP21フォームを提出することになる。
同時に、担当者から私には、
- 税務署担当者の連絡先に適宜フォローアップすること
- 税務署に直接行く場合はアポイントが必要
を念押しされました。
私としても、非居住者期間の税金還付の申請がまだだったので、税務署には一度いかなきゃなーと思っていたのですが、正直面倒だし外出するのも怖い時期だったので、まずは電話でフォローアップしてみることに。
2. LHDN(タックスオフィス)訪問
しかしフォローアップしようにも電話もずっと話し中で繋がらなくて、1週間ほど経過した頃、タックスオフィスから私に直接電話がかかってきました。
パスポートと出入国記録が必要だから税務署に来てください
という連絡でした。
その日にタックスオフィスを訪問。
出直しはできれば避けたいので、念のため会社が提出してくれた書類や過年度のBEフォームなど税金に関する書類はすべてプリントアウトして持っていきました。
タックスオフィスに着くと、ビルの外に長蛇の列。
MCO中なので訪問には予約が必要と会社の人は言っていましたが、予約など必要なさそうな雰囲気です。
20分ほど外で並んで、番号札をとってオフィス内で順番を待ちました。
カウンターでは主に「出入国記録」と「当年度のEAフォーム」を職員さんに教えてもらいながら記入しました。
LHDNで提出した書類
- CP22A(会社提出分のコピー)
- PCB2(会社提出分のコピー)
- 前年度のEAフォーム(会社提出分のコピー)
- 過年度分BEフォーム
- パスポート原本
- パスポート全ページのコピー(紙で提出)
- 出入国記録(現場で記入)
- 当年度のEAフォーム(現場で記入)
パスポートの全ページコピーは紙で提出する必要があるとのことで、一度席を外し、敷地内の売店(オフィスを出て左手の地下)でコピーをとってもらってきました。
すべての書類のチェックが終わり、処理完了まで14営業日くらいかかりますと言われ、その日は帰宅。
窓口滞在時間はだいたい10分(コピー取りに行く前)+10分(コピー後)の合計20分くらいでした。
3. 還付に関する追加書類提出(Tax Borne Letter)
その後、そろそろ14営業日くらいかな、というタイミングで税務署から会社担当者宛にメールがきました(私もCCに入っていた)。
内容は・・・
税金の還付に関して、Tax Borne LetterまたはTax Indemnity Letterを提出してください
というもので、税金の還付先情報を知らせるレターが必要とのことでした。
私のケースでは、払い過ぎた税金の還付先は私なので(月々の給与からあらかじめ税金分が引かれていたから)、会社担当者が私の振込先口座を明記したTax Borne Letterを作成し、提出してくれました。
提出書類
- Tax Borne LetterまたはTax Indemnity Letter
4. タックスクリアランスレターの発行
会社がTax Borne Letterを提出してくれた翌日、税務署担当者からTax Clearance Letterがメール送付されました。
なぜかこのメールは宛先が私だけになっていたので、すぐに会社担当者に転送しておきました。
ちなみに、おそらくレターの原本も郵送してくれているのだと思うのですが、まだ手元に来ていません。(たぶん引っ越し前の住所に送られちゃった・・・)
5. 還付金の振込入金(Tax Refund)
タックスクリアランスレターの発行から3日ほど経って、再び税務署からメールが立て続けに来ました。
還付金、振り込んだよ!という通知でした。
4回に分けて振り込まれていたのですが、内訳はこんな感じ↓で、一部何に対応した金額なのかがわかりませんでした。
- 初年度の過払い分(BEフォーム上の還付額と一致)
- 2年目の過払い分(BEフォームの還付額と一致)
- 今年度の過払い分
- 不明
本当はきっちり金額の妥当性確認をしておきたいところですが、とりあえず自分が思っていた以上の金額が戻ってきたのでよしとしました。
6. 最終月の給与振り込み
タックスクリアランスレターの発行後、保留となっていた最終月の給与が口座に振り込まれます。
私のケースでは、タックスクリアランスレターを会社に提出した約10日後に最終給与が振り込まれました。
(たぶん会社の給与処理サイクルにタイミングよくはまったんだと思う)
また、最後の給与は日割りと有給休暇買い上げでいつもとは額が異なるため、給与明細をEメールで送ってもらうようお願いし、実際に振り込まれている額と一致していることを確認しました。
マレーシアでタックスクリアランスまとめ|提出した書類一覧
マレーシアで会社を退職した際に必要となる手続き、タックスクリアランスについて私の体験談をご紹介してきました。
最後に数回にわたって提出した書類を一覧にまとめておきます。
退職直前はバタバタするので、早め早めに書類を集めて、会社で印刷しておくことをおすすめします。
提出書類一覧
- CP22AまたはCP21
- PCB2
- 前年度のEAフォーム
- 過年度分BEフォーム
- パスポート原本
- パスポート全ページのコピー(紙で提出)
- 出入国記録(現場で記入)
- 当年度のEAフォーム(現場で記入)
- Tax Borne LetterまたはTax Indemnity Letter(後日)
税金に関しては、非居住者期間が終了した後に居住者認定しに税務署へ行くのを先延ばしにしていたので、当時払い過ぎた税金をちゃんと取り戻せるのかちょっと不安だったのですが、会社の担当者も税務署の職員も淡々と処理してくれて、安心しました。
担当者によって言ってることが変わると言われちゃうマレーシア社会なので、全く同じようにはいかないかもしれません。
(その後に同じ経験をした知人の一人は、Tax Borne Letterが揃ってないことを理由にタックスオフィスで門前払いされたとのこと。)
それでも、どんな流れ・タイムスパンで進むのか、どんな資料を提出するのか、など一つの例として参考になったらうれしいです。